セガは、8月18日付の『官報』に「資本金の額の減少公告」を掲載し、
資本金の額を599億円減少し1億円にすることを明らかにした。
効力発生日は、2014年9月30日で、株主総会での決議は8月15日に終了したとのこと。
なお、同社の2014年3月期の決算は、
売上高816億円、営業損失19億円、経常損失130億円、当期純損失102億円だった。
セガが減資…資本金が599億円減少し1億円に
http://gamebiz.jp/?p=133615ご覧の通りの有様で、2015年3月期 第一四半期の決算でも、
株式会社セガの擁する全部門で14億1600万円の営業損失が出てしまっている状態です。
(厳密にはコンシューマ事業にはグループ会社の株式会社アトラスのヒット作の売上等が含まれている為、
これを取り除くと、セガブランドのゲームだけでは損失は更に5億円増えて19億という数字になる様です)
アミューズメント機器事業:営業損失6億6900万円
アミューズメント施設事業:営業損失4億6500万円
コンシューマ事業(スマホゲーム、玩具含む):営業損失2億8200万円
全部門合計:営業損失14億1600万円
平成27年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
http://www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/201503_1q_tanshin_final_j.pdfこの様な八方塞がりの悲惨な状況で、遂にセガも経営不振からの再生を目指して
資本金の減額、いわゆる
「減資」に踏み切る事になりました。
減資とは本来、経営が順調な会社では全くやる必要のない行為ですから、
株主に財産を払い戻して事業の整理縮小だとか、あるいはお金の調達に困って資本金を取り崩すだとか、
減額された分の資本金は、まあ単刀直入に言うとあまりよくない方向に使われようとしている訳です。
ちなみに、他の同業大手(バンダイナムコHDやスクエニHD、コナミなど)では
きちんとゲーム関連事業で利益が出せている為、この様な減資は一切行われません。
アミューズメント事業に限って見ても、同業のタイトーが3月期決算で営業利益15億円、
イオンファンタジーが営業利益5億円など、赤字まみれのセガとは一転、きちんと黒字化できています。
「アミューズメントは堅調だけど消費税増税分が賄えず赤字に転落した」
「コンシューマは堅調だけど宣伝費が増大して損失が出た」などと決算書で子供じみた訳の分からない言い訳をしているのはセガだけ。
他の会社は消費税増税等はどこも織り込み済みで、その上で利益が出る様に対策しつつ動いています。
大手では唯一ナムコが赤字ですが、バンダイナムコ全体で見ると「妖怪ウォッチ」グッズの大ヒットで
第一四半期最高益を更新したのがNHKで報じられたのは記憶に新しい所です。
この様にセガだけが一人負けして、家庭用ゲーム機でもアーケードでも
長期間に亘って何一つヒット作が出ず、経営状態がボロボロになっています。
そのような背景もあって、キッズカードゲームの「ヒーローバンクアーケード」に関しても
稼動初期の未曾有のズッコケっぷりと、3DSソフトやスマホ型玩具の販売不振から、
3~4年規模のムシキング並みの長期間のサービス継続は今回も極めて
困難であろうと判断し、
皆さんにくれぐれもプレイしない様にと、当ブログでも呼び掛けている訳です。
集めたカードが合虫ガッツ!同様、たかだか一年ないし一年半程度の短期間で紙くずになってしまうなら、
それはお客様の側から見て全く遊ぶ価値のないゲームですから。
一般的に、減資というのは膨れ上がった繰越欠損金を解消する為に会社が最後の手段としてやる事が多く、
ゲーム業界で有名なのは、減資後にプレステ3事業で大失敗して債務超過に陥り、
一兆円超の借金をこしらえた、ソニー・コンピュータエンタテインメントがあまりにも有名です。
SCEは単独では経営を継続できず、親会社のソニーから2000億円の債務保証をしてもらって
何とか命を繋いでいる状態ですが、セガが今後、その様な状況に陥らない事を祈りたいと思います。
(現状でもセガを”パチンコ屋サミーの寄生虫”だと揶揄する人は少なくありませんが)